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宮城仙台の弁護士にご相談を  「青葉法律事務所」WEBLOG

ベテランから若手まで弁護士5人で頑張っています。一番町の弁護士事務所 「青葉法律事務所」のブログです。法律相談ご予約は022-223-5590までお気軽にお電話下さい。【仙台 弁護士 相談】

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相続とは何か?その基本の基本 ~条文を引きながらご説明~

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(相続とは何か・・・?zzz)※写真はイメージです。

相続とは何か

 相続とは、亡くなった方(「被相続人」といいます)の一身専属的な権利を除く全ての権利義務を相続人が引き継ぐことです。
 預貯金などのプラスの財産だけではなく借金などのマイナスの財産も引継ぎます。契約上の地位も、当事者死亡により消滅するものを除き、引継ぎます。

民法第896条 (相続の一般的効力)
相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。ただし、被相続人の一身に専属したものは、この限りでない。

 相続は、被相続人が死亡したときに開始します。

民法第882条(相続開始の原因)
相続は、死亡によって開始する。

相続放棄、限定承認、そして単純承認

 このように、相続人が被相続人の権利義務を全て引継ぐ場合を「単純承認」といいます。

民法第920条(単純承認の効力)
相続人は、単純承認をしたときは、無限に被相続人の権利義務を承継する。

 しかし、被相続人が多額の借金を負っていた場合など、相続人が被相続人の権利義務をそのまま引継ぐことを遠慮したいケースも多くあります。そのような場合、相続放棄又は限定承認という選択肢があります。

相続放棄

 相続放棄をすると、被相続人の権利義務は引き継ぎません(最初から相続人ではなかったことにされます)。

民法第939条(相続の放棄の効力)
相続の放棄をした者は、その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなす。

 相続放棄は、マイナス財産のみならずプラス財産も引き継ぎませんのでご注意下さい。
 
 相続放棄は自分のために相続があったことを知ったときから3ヶ月内に家庭裁判所に申述しなければなりません(この3ヶ月間の期間を熟慮期間といいます)。相続放棄は相続人各自が単独で申述します。

民法第915条1項
(相続の承認又は放棄をすべき期間)
相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。ただし、この期間は、利害関係人又は検察官の請求によって、家庭裁判所において伸長することができる。

限定承認

 限定承認は、プラス財産の範囲内で負債を支払い、プラス財産が残っていれば、それを相続できる制度です。限定承認の申述も、自分のために相続があったことを知ったときから3ヶ月以内に行う必要があります。ただ、限定承認はほとんど利用されていません。なぜなら、相続人全員が申述する必要がある、財産目録を作成する必要がある・・・など、手続が面倒だからです。
 

相続放棄、限定承認についての注意点

 負債の有無の調査などに手間がかかり、3ヶ月の熟慮期間中に相続放棄又は限定承認の申述をすることが難しい場合もあると思います。その場合は、家庭裁判所に対する熟慮期間延長の申立てという制度があります。


 熟慮期間中に相続放棄又は限定承認しなかった場合は単純承認したと見なされます。また、遺産の全部又は一部の処分をした場合は、たとえ熟慮期間中でも、単純承認したものと見なされます(保存行為及び民法602条の期間を超えない短期賃貸借は除きます)。さらに、相続放棄又は限定承認した場合でも、遺産を意図的に隠すなど一定の背信性ある行為をした場合は、原則、単純承認したものと見なされます。この点、注意が必要です。

第921条(法定単純承認)
次に掲げる場合には、相続人は、単純承認をしたものとみなす。
1 相続人が相続財産の全部又は一部を処分したとき。ただし、保存行為及び第602条 に定める期間を超えない賃貸をすることは、この限りでない。
2 相続人が第915条第1項の期間内に限定承認又は相続の放棄をしなかったとき。
3  相続人が、限定承認又は相続の放棄をした後であっても、相続財産の全部若しくは一部を隠匿し、私にこれを消費し、又は悪意でこれを相続財産の目録中に記載しなかったとき。ただし、その相続人が相続の放棄をしたことによって相続人となった者が相続の承認をした後は、この限りでない。

 以上は、相続の基本の基本をごく簡単にまとめたものです。遺言書の有無や遺産、相続人の範囲など事情により、相続問題の対処は異なります。この記事のみで判断されず、相続問題は弁護士までご相談下さい。青葉法律事務所の法律相談のご予約は、電話番号022-223-5590までお願い致します。

(この記事は、仙台 弁護士事務所「青葉法律事務所」弁護士 浅沼 賢広 が執筆しました。執筆当時の条文、法状況を前提としております。)

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